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相互支援組織の作り方
第17回
メンターネット−社内相互支援システム−
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■すべての企業内資源を最大限に活用するシステム ― 一人の社員を全社員で励ます


相互支援型の組織づくりにとても有効な一つのシステムを紹介したい。
それは企業内の誰もが自由に読み書きできるネットワークを通して相互にメンターとして参加するシステムである。これをメンターネットと呼ぶ。メンターネットは企業内のすべての物質的精神的資源を最大限に活用して、最大の成果を得るためのシステムである。
まず以下にメンターネットを使った二つの事例を紹介しよう。

● 事例1

新規事業を担当するA氏は毎朝メンターネットに接続することを楽しみにしている。な
ぜなら、そこにはA氏のために他の社員がみんなでさまざまな提案をしてきてくれるからである。
「こんなアイデアを思いついたのですが、良かったら使ってください」(総務部 田中
有紀)
「先日お会いしたお客様に新規事業のことを伝えましたところ、とても強い関心を示し
てくださいました。近いうちに紹介したいのですがいつがよろしいでしょうか」(営業部 木村卓二)
  「資金が足りないときはいつでも声をかけてくれ。遠慮はいらない。何とか調達できるように努力するよ」(経営企画部 田所剛)
  「まだ何もお手伝いできていませんが、がんばってください」(アルバイト 中村友之)
  このようなメッセージを見ると、一人で新規事業を担当しているような気持ちにはならない。それどころか、まるで全社員を代表して企業の未来を担っているような使命感すら感じる。A氏はどんなに疲れていたとしても、毎朝やる気になって仕事に取り組むことができる。

● 事例2

Bさんは最近、人間関係がうまくいかなくて悩んでいる。それに仕事上でもトラブルが
続いてとても落ち込んでいた。何となくそんなことを匿名でメンターネットに入れたところ、翌朝見てみると、なんと二五件ものメッセージが届いていた。  
「世の中うまくいかないことばかりだよね。でも、だからこそ感動もあるんじゃないかな。だって、すべてが思いどおりになったらつまらないじゃないか。だからこそうまくいかないことを楽しもうよ」(経理部 鈴木俊之)
「こんな本音メッセージが書けるなんて、とても勇気がある人だと思います。相談にのってもらうことって恥ずかしいことじゃないですよね。私も人には言えないことがたくさんあって苦しんでいましたが、これからは勇気を持って打ち明けて解決していきたいと思います」(開発部 宮城政夫)
「そういうときは夢を確認するようにしてみたらどうでしょうか。夢を忘れると目の前の物事に気持ちが左右されてしまうものです。私も疲れたなと思ったら、夢を確認するようにしています」(営業企画部 今村佳子)
「自分に負けないで!」(社長室 牧村さつき)
「私も最近何もかもうまくいかなくて悩んでいました。でも悩んでいるのは私一人じゃないってことがわかりましたし、私以上につらい思いをしている人がいるんだなと思ったら、がんばらなくちゃという気持ちが出てきました。悩みがあることを打ち明けてくださって本当にありがとうございました」(S・T)
Bさんはみんなの励ましメッセージを読みながら、自然と出てくる涙を止めることが
できなかった。そして昨日よりも少しだけ元気になった。

以上のように、メンターネットは相互に貢献し合うことによって、企業内の生産性を
最大限に高めようとするものである。もちろん企業の生産性とは、そこで働く一人ひとりの活力にほかならない。その一人ひとりの活力を最大限に発揮するシステムが、メンターネットなのである。
メンターネットの特徴は二つある。一つは企業内の経営資源を最大限に活用することができるようになること。企業内の重要な経営資源のほとんどは個人に帰属している。もちろんデータなどで共有しているものもあるが、ここで言う経営資源とはアイデアとか、経験などといったものも含んでいる。それらがすべて相互に活用される機会は、これまではなかったのではないだろうか。
  そしてもう一つは、一人ひとりがやる気になることである。企業の生産性を最大限に高めるためには、一人ひとりがやる気になって物事に取り組んでいくことは必要不可欠な前提条件である。
  このような相互支援環境が整うと、その集団のエネルギーはどんどん増幅されていくにちがいない。

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■メンターネットの活用方法 −励ます方法より励まそうという気持ち

メンターネットの活用方法はさまざまであり、参加者の意図によって自由に活用するこ
とができる。
たとえば、新規事業担当者に対して、すべての社員がどのような貢献ができるのかを提案する。また、物事や人間関係がうまくいかなくて悩んでいる人みんなで励ます。さらに、問題を抱える事業部に他の事業部のスタッフがお手伝いの指示を求める、といったような活用方法がある。
  メンターネットの活用に関しては以下のようなポイントがある。
(1) どんなにささいなことであったとしても今できることを提案すること
(2) 常に相手を思いやり、気がついたことをそのつど提案すること
(3) 具体的な提案ができなくても、励ましのメッセージを送ること
(4) 内容以上に回数(質より量)が大切であること
支援の内容はどのようなものであってもかまわない。その内容が役に立つかどうかは相
手が判断することであり、こちらは何ができるのかを考え、どれほどささいなことであったとしても貢献できることを一つでも多く提案することである。
そして何より大切なことは、どのように励ますかということよりも、どれだけ励ますこ
とができるのかということである。つまり、スキルやテクニックではなく、励まそうという気持ちである。なぜならメンターネットの最大の目的は相手に勇気を与え、やる気にさせることだからだ。
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■メンターネット構築手順 −核になるメンバーから始めて実績を出す

メンターネットの構築に当たって、ある大手企業は20人のメンターを育成することから始めた。このメンバーは自立創造組織をつくるべく各部署から選抜されたメンバーでメンターとしての研修を六ヵ月にわたって学んだ。始めて三ヵ月目より、メンターとして他の社員の質問に答えていくことで実践力を学ぶこととした。始めはメンターとしてうまく回答メッセージを入れることができないこともあって、積極的にメッセージを入れることはあまりなかった。担当者も頭を抱えていた。しかし、そんな中でも数名のメンバーだけは時間を見つけてはできる限り一言でもメッセージを入れるように努力していた。
そしてある時から、メンバーに対して質問に答えてくださったことに感謝するメッセージが届くようになった。そのメッセージを読んだメンバーは一様に目に熱いものがこみあげてくるのを感じた。そして始めはどことなく義務感で始めたのだがいつの間にか、やりたいものへと変わっていったのだ。質問者に回答メッセージを入れることが楽しみになっていったのである。それは自分の存在価値を感じることができるようになったからである。気がつくと20人のメンバーは我れ先にとメッセージを入れるようになり、メンターとして成長していったのである。
 
  小人数で始めて実績をつくり、その実績によってネットワークを拡大していく。好循環の元を小人数から始めることによってつくるのである。なぜなら、小人数であるほど目的・考え方を共有化しやすく、実績も短期間で上げることが可能だからである。
  また、小人数で始めることによって、その企業独特の運営ノウハウ、活用方法を蓄積していくことができる。他部署間での相互メンターなどの場合は、隣の部署や関係の深い部署間で始めるとよいだろう。
  次に、励ますメンターを増やすこと以上に重要なことは、どれだけ励まされるメンバーを増やすのかということである。メンターとなる人の最も大切な条件とは、自発的にメンターとして参加することだ。指示だから仕方なく参加するというのでは、最大の成果を上げることはできないばかりか、システムそのものが形骸化してしまう。システムの形骸化とは、ほとんどそこに参加する人々の意識によって起こるものだ。
  では、自発的にメンターとして参加する人々を増やすにはどうしたらよいのだろうか。それは各人が一人でも多くの人を励ますことである。なぜなら、励まされた人ほどその価値を実感することができ、今度は自分がメンターになろうとする気持ちになる可能性が高いからである。つまりコア・メンターがどれだけ多くの人々に貢献できるのかが、メンターを増やす最も大きなキッカケになる。
  どんなに良いシステムがあったとしても、そのシステムが、価値を生み出すことと必ずしもイコールではない。価値を生み出すためには、そのシステムをどれだけ有効に活用しているのかが問題である。そしてそのためには、まず小さく始めて徐々に実績を上げていくことが必要である。そうすれば、あとは勝手に広まっていく。なぜなら、企業の中で実績ほどモノを語るものはなく、誰も否定することができないからである。
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■相互支援型社会システム −全国の主婦が悩めるサラリーマンを励ます

もしも次のようなネットワークがあったら、どのような世の中になるだろうか。
メンターネット参加要項                              
○ メンターネットとは
メンターネットとはパソコンを通じて家に居ながらにして社会に貢献することができるネットワーク・システムです。誰でも自由にいつでも入退会することができ、自分の生活スタイルに合わせて、希望する時に希望する時間だけ社会貢献することができます。その社会貢献とは他人を「励ます」ことです。
○ 入会条件
基本的に励ますことを目的としてご参加いただければ、それ以外の入会条件はありま
せん。経験、年齢、地域などにいっさい関係なくご参加いただけます。
○ 参加要領
まずは参加申し込み後に送付されるメンター・マニュアルをよくお読みください。メ
ンターとしての基本的な考え方とケーススタディによって実践的なノウハウを学ぶことができます。その後はすぐにネットワークに参加することができます。
ネットワークにはいつでも自由に接続することができます。そこには全国の経営者、ビジネスマンおよびビジネスウーマンから悩み事や相談したいことなどが毎日寄せられています。あなたはそれらの中から自由に選択して励ますことができます。その時は実名でも匿名でもかまいません。
励ました相手方より感謝のメッセージが送られてくることがあります。感謝のメッセージが、あなたへの報酬です。
○ 参加費用
  パソコン本体の購入およびネットワークに接続するための通信費のご負担をお願いいたします。すでにパソコンをお持ちの方は新たにご購入していただく必要はありません。

一人のサラリーマンが悩み事をメンターネットに載せる。すると翌朝には、全国の何十人もの主婦メンターから温かい励ましのメッセージが届く。その結果、問題に立ち向かう勇気を取り戻したり、これまで以上にやる気になって行動することで、社会により大きな価値と感動をもたらすことができるようになる。
  主婦も家庭に入ることによって社会から隔離されるのではなく、メンターネットによって社会に貢献することができるようになることで、自己の存在価値をより強く認識することができるようになる。自分が生きている価値を最も強く感じることができるときが人の役に立っていることを実感したときである。つまり他人を励まし、社会に貢献することは、自分自身の存在価値、つまり生きがいをつくることなのである。
  メンターネットは、「励ます」という限定された一つのルールに基づいて利用される目的限定型のネットワークシステムである。メンターネットは、主婦のみならず、学生さらには子供たちまでが社会に参画して貢献することができる。将来的にはすべての人々が社会に参画し、社会を創造する一つのシステムになるかもしれない。
  アントレプレナーセンターでは、なるべく近いうちにこのメンターネットを公開利用できるようにしたいと考えている。現在クローズドのネットワークの中で、その可能性を模索中である。
  いずれにせよ、このようにすべての人々が相互にメンターとして社会に参画し、貢献することが共存共栄社会の創出につながると信じている。

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