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自立型姿勢
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相互支援組織の作り方
第11回
一人の「思い」が企業を変える
−組織を変革する一人の生き方「まずは私がやる!」−
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■企業の中で主体的に生きる−すぺては自分が選択したこと

 先日ある行政機関の委員として、その調査の一環で地方に出張することがあった。その調査を受託している団体の方々も同行しての 一泊二日の出張である。その団体の多くはあちこちの自治体や企業からの出向者によって構成されているいわば混成部隊である。一人 ひとりが違った経歴を持ち、考え方にも大きな違いがあったりして、話しているといろいろなことを教えていただくことができるので、とても面白い。出張中は移動時間が一日のうちで大きなウェートを占める。その時間はいわば情報交換の時間である。出張の楽しみはこの移動時間にもあると思う。そんな中でこんな話があった。
  「福島さんはいつも元気ですねえ。毎日が楽しくてしょうがないんじゃないですか」
  「ええ、特に最近は一日を全力で生きようっていうことを自分の目標にしているんです。 人生の時間は有限ですから、一時間一分をどれだけ大切なものとしていくかって、そんなことをいつも気にして考えながら過ごすよう にしています。実際には、なかなかできませんけどね」
  「でも私たちは、会社の命令で出向してきているんで、福島さんとは違う立場ですから、なかなかそうは考えられませんよ。起業家の方は自由かもしれませんけれど」
  「えっ!今回の出張もあなたの意思で来てるんじゃないんですか」
  「もちろん違いますよ。会社の命令があったから来たんです」
  「でもイヤなら断ればよかったんじゃないですか」
  「そんなことできませんよ。私たちは業務命令には逆らえないんですから」

 会社の業務命令には逆らえない、という人がいる。はたして本当にそうだろうか。業務命令は個人の行動を強制することができるの だろうか。
  現代社会においては、そんなことはありえない。大昔、奴隷と言われた人々には行動の選択権はなかったかもしれない。しかし、今 日ではこのようなことはありえないし、あってはならないことである。
  業務命令は会社からの提案であり、それを受け入れるかどうかは個人の自由意思で決まる。もちろん受け入れなければ、会社にいら れなくなることもあるかもしれない。しかし退社することも個人の自由だ。すべての選択は自分が決めているのである。
  このようにすべては自分が選択したことであり、また自分は誰からも拘束されることはないと感じることを自己自由観という。一方 で、自分の行動は他人から制約を受けている、自分のできることは限られた範囲で、自分は他人の指示によって動かされていると感じることを拘束限界観という。
  一つの同じ出来事をどちらの感覚で受け止めるかで、その後のやる気・行動に大きな差が出る。自己自由観を持っていれば、すべて の自分の行為は、自分が選択したことであり、主体性を持って行うことができる。しかし拘束限界観に満たされてしまうと、すべての行為はイヤイヤやることになり、主体性を失った状態のまま行動しなければならなくなる。それぞれの行為がもたらす成果がどのようになるかは明らかである。
  私たちは自分の置かれた状況をどのように認識するかによって、自分の行動の成果を大きく変えてしまうばかりでなく、毎日の生き ている時間を有効なものにするか無意味なものにするかさえ決めてしまっている。生きがいのある充実した日々を送るのか、張り合い がなく何となく疲れる日々を送るのかは、環境の違いではなく認識の違いによって生じてくるのである。

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■100円で世の中を変える−厳しい条件の中で知恵を出す

 以前私は大学生らと「100円の会」という勉強会を開いていたことがある。その会のコンセプトは、「100円でできないことは、100億円あってもできない」というなんとも大胆なものだ。わかりやすくいえぱ、「風が吹けば桶屋が儲かる」のような発想の訓練をする会である。わずか100円で夢を実現するためには徹底的に頭を使い、参加者が協力し合って無限の知恵を出し合わなければならない。
  たとえば、ある時は、
  「今日のテーマは老人福祉の問題です。高齢化社会に向けてどんなことができるかを百円玉一つ持っているところから考えてみよう。さあ、まず100円で何をしますか?」
  また、ある時は、
  「今日は地球環境問題がテーマです。さて皆さんは今100円しか持っていません。どうやって100円から地球環境問題を解決しますか。」
  といった無理難題に対して、みんなで知恵を出し合って考える。結果として、現実にはほとんど全面解決できたことはない。
  しかし、ここで大切なことは解決策を見いだすことではない。解決策が見いだせなくともかまわない。この会の目的は、物事に取り 組み、解決策を見いだすために必要な姿勢を身につけることなのである。
  世の中を変えるのは人間である。一人の人間のできることは限られているかもしれないが、知恵を出すことは無限にできる。あれが ない、これがないと言っていたのでは何もできない。今できる小さなことから積み上げて、たとえ少しずつでも最終的な目標の達成に近づくことが大切だ。そのためには無限に知恵を出し続けるしかない。勉強会とは知識を身につけるものではなく、知恵を出す訓練をする場である。
  事業は資金があるからできるものでもなく、知識があるからできるものでもない。知恵を出すからできるものなのである。始めは、まったくできそうもないものでも知恵を出し続ければ、いつかは「風が吹けば桶屋が儲かる」のように、どうすればよいかが次第に見えてくる。そのためには、できるかできないかではなく、あきらめずに考え、知恵を出し続ける努力をすることだ。もちろんそれは簡単にはうまくいかないだろう。糸口が見つかるまでには一力月、一年、場合によっては10年以上かかるかもしれない、それでも考え続けることでしか、不可能を可能にすることはできない。
  知恵は考えた時間と比例して出てくるものであり、多く知恵を出すほどより目的に近づくことができる。あきらめずに考えた人だけ が、不可能を可能にすることができるのである。
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■一人の「思い」が企業を変える−大企業の変革は一人から始まる

 おもちや業界において戦前戦後を通して最大のヒットという歴史的記録を打ち立てたバンダイの「たまごっち」は、合併も仕方がないという社内の雰囲気を一瞬にして吹き飛ばし、活気あふれる社風へと転換させてしまった。「たまごっち」の大ヒットによって、「何も合併しなくたって、自分たちだけでも十分にやっていけるんじやないか!」
  と、みんなが思ったとき、次々と新商品のアイデアが提案され、翌年商品化されたものだけでも約4000件にも上った。そしてその中からハイパー・ヨーヨーなどのヒット商品も生まれた。
  「たまごっち」はもともと、たった一人の課長がわずかな資金を元に始めたプロジェクトではあった。しかしその課長の思いに共感した社内社外の多くの人々が、厳しい環境の中で協力し合い知恵を出し合って、まるで奇跡とも言えるような大成功を達成したのである。「たまごっち」の大成功を偶然と言う人がいるかもしれないが、努力なきところに奇跡は起きない。
  会社の規模がどれほど大きくとも、それを変えることはできる。それは自分がいま目の前にあることにどのような姿勢で取り組もうとしているかで決まるものである。会社に何かを要求するよりも、自分が企業を変革する口火を切ればいいのである。自分の姿勢が職場を変革し、その実績が企業を変革する。
  さらに、あらゆる商品・サービスはそこに関わった人々の「思い」に比例したものになる。他人に感動を与えるためには、強い「思い」が不可欠だ。
  自分が「うちの会社じやダメだ」と言ったときにダメになり、「なんとかしよう」と言ったときになんとかなる可能性がある。企業がどうなるかは、実は自分が決めているのである。その意味では企業の将来を自分一人が担っていると言っても過言ではないだろう。企業の変革のみならず、歴史を変革してきたのは、たった一人の人間の「思い」に始まったことばかりなのである。
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■「思い」の法則−醸成、発揮、伝播、吸引、実現

 一人の人間のカは小さいものである。しかし一人の人間ができることは無限大である。ではなぜたった一人の人間が歴史を変えるようなことまでできるのであろうか。
  それはその一人の人間がどのような能力があるかではなく、どのような「思い」を持つかによってできることの内容、大きさが変わってくるからである。この「思い」が実現するまでには五つのステップがある。

第一ステップ 〈醸成〉

 まず自ら「思い」を強めていく努力をしなければならない。
  私たちは何かをしようと思ったとき、すでに何らかの「思い」を持ったことになる。そのほとんどは始めはわずかな「思い」かもしれない。それらは放っておけば消えてなくなってしまうような「思い」だろう。だからこそ「思い」は意識的に強くしていかなけれぱならない。一日に何度もその思いを確認したり、人にその思いを話したり、忘れないようにその思いを紙に書いてよく目にするところに張り出したりすることによって「思い」を強めていくのだ。この時点においては「思い」の実現のために必要な資源があるかないかは関係ない。それらは後から集まるものだからだ。

第ニステップ 〈発揮〉

 「思い」の強さに応じて知恵を出し、行動する。
  私たちは本気になるほど頭を使い、そして行動するようになる。弱い「思い」では安楽の欲求に負けてしまうために行動することはできない。しかし強い「思い」を持つほど行動のプライオリティ(優先順位)が変わり、積極的な行動をするようになる。さらに、強い「思い」は見るもの聞くものをその「思い」の実現のために活かそうとする。

第三ステップ 〈伝播〉

 「思い」を持って行動するようになるとその「思い」が他人にも伝播する。
  つまり他人が自分と同じ「思い」を持つのである。それによって自分一人だけの行動ではできないことが可能になっていく。こうして多くの人が同じ行動をすることによって無限の可能性が出てくる。
  「思い」を持って行動しているのに他人が行動してくれないというのは、自分の「思い」が弱いことが原因である。そもそも強い「思い」を持っていないから他人に期待してしまうのだ。自分の「思い」の強さに応じて他人が能力を発揮するのである。

第四ステップ 〈吸引〉

 他人も行動した結果、「思い」の実現のために必要な情報、人脈、資金、アイデアなどの資源が集まるようになる。
  共感した人々が「思い」の達成のために行動するからである。必要資源が集まるスビードは加速していき、「思い」が実現する可能性は急速に高まる。
  企業とは一つの「思い」に共感した人々の集団でなければならない。

第五ステップ 〈実現〉

 こうして最後に、「思い」は実現する。強い「思い」のあるところに必要な資源が集まり続け、いつの日か「思い」は実現することになる。そして「思い」が強いほどそれは早くなる。

 そして、最も強い「思い」を決意という。決意には次のような10の特徴がある。

(1)決意とは、夢・目標を実現するまでやるとあらかじめ決めることである
(2)決意は、どのような立場・環境からでもできる
(3)決意は、毎日確認するものである
(4)決意は、すべてを受け入れることから始まる
(5)決意は、問題を欲し、中傷をアドバイスに変える
(6)決意は、習慣を嫌い、常識を超える
(7)決意は、迷いと不満を消し去る
(8)決意は、強い自発性をもたらす
(9)決意は、他人を同じ行動に駆り立てる
(10)決意をした人は、行動に無理がなくなり、自然体である

 私はこれまでに運よく、決意した人々にお会いする機会がたぴたびあった。学生時代から政財界に人脈を作り、二四歳で社団法人を設立した女性、官庁で次々と企画を立案・実行していく三○代の官僚、何万人もいる大企業の中で何の迷いもなく、変革を押し進める五○代の管理職、そして一七歳で、障害を持ちながらも全国にビジネスを展開する若者など。
  彼らの顔の表情には、影や曇りがまったくない。自分の行動が当たり前のようで何の気負いも感じられない。皆自分らしく、自然体である。

 現在の自分は過去の自分の「思い」の結果である。そしてまた末来の自分はいまどのような「思い」を持っているかによって決まる。すべては自分次第なのだ。
  企業の中で最も大切なのが「人」であると言われる。しかしその人に「思い」がなければ、「人」がいることにはならない。何万人の社員がいようが企業にとって必要なのは、経済環境の変化に対して新たなる企業を創りあげていく「思い」を持った「人」である。

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