自立型相互支援会社の創生を目指す 株式会社アントレプレナーセンター プライバシーポリシー サイトマップ 株式会社アントレプレナーセンタートップへ
What's New 講演依頼お問い合わせ
自立型姿勢
自立型姿勢とは? 自立型姿勢FAQ 自立度チェック 相互支援組織の作り方 ”思い”の7段階 福島正伸著書 元気が出る言葉
企業理念 会社概要 代表者プロフィール アクセスマップ 関連サイト一覧 メールマガジン ポッドキャスト
相互支援組織の作り方
第8回
企業を成長させる自立型社員
目次に戻る
■自立型姿勢と依存型姿勢−欲求によつて考え方が決まる

 前回解説したように、私たちは人間として生きている以上、安楽の欲求と充実の欲求の相反する二つの欲求を持ち、どちらの欲求に基づくかによって、まったく正反対の考え方と行動をする。
  私たちは安楽に生きようとすると、自分が安楽であることを他に依存するようになる。どの会社に入ったら生活を保障してくれるのか、誰と付き合ったら自分にとってメリットがあるかなど、自分が安楽であることを他に期待するのである。そもそも自分が努力をしてつかみ取ることは安楽なことではないからである。
  一方、充実した日々を送ろうとすれば、他に期待するのではなく自発的に努力するようになる。努力なきところに充実感はないからである。
  それぞれのこのような欲求の性質から、安楽の欲求に基づいた考え方を依存型姿努と呼び、充実の欲求に基づいた考え方を自立型姿勢と呼ぶ。
  今回は自立型姿勢を中心にこれら二つの姿勢の違いについて体系的に解説してみたい。
目次に戻るPAGETOP
■自立型姿勢の定義−どんなときでも全方を尽くす

 自立型姿勢とは一言でいえば「いかなる環境、条件の中でも自らの能力と可能性を最大限に発揮して道を切り開いていく姿勢」である。そしてこれは広義的な定義である。
  ここでのポイントは二つある。一つは自分が今おかれている環境・条件にはいっさい関係ないということ。つまりどのような経済環境の中にいるか、どのような会社にいるか、さらには役職、経験、知識、人脈、収入、学歴、年齢、性別、家柄等にはいっさい関係がないということだ。
  そしてもう一つは、今そこでできることから自発的に全力で取り組むということである。今できることがどれほどわずかなこと、小さなことであってもあきらめずに精一杯努力することだ。
  わかりやすく言えば「どんなときでも全力を尽くす」というのが自立型姿勢である。
  自立型姿勢は周りの環境や自分がどのような立場に置かれているかには影響を受けない姿勢である。自分がどれだけ努力するかによってすべての結果が決まると考えるからである。それは不可能を可能にする姿勢ということもできるだろう。
  一方、依存型姿勢は環境や他人に依存し、確実で楽にできることだけに取り組む姿勢である。こうすれば必ずうまくいくという手法ばかりを探し、それが見つかるまでは行動しようとしない。自分が思い通りのことができないのは会社や他人のせいと考え、いつも不 満に満ちあふれている。
  世の中にはこうすれば必ずうまくいくという万能で確実な手法はない。物事と他人は思い通りにはならない。だからこそ私たちにできることは、自立型の姿勢で取り組むこと、つまり今できることから全力で取り組むことしかない。誰でも、どのような状況からでも 道を切り開くことができる可能性を持っているのだ。そして思いどおりにならないこと、なかなかうまくいかないことを楽しむことができたとき、最大の成果を得ることができるのである。
目次に戻るPAGETOP
■自立型姿勢の五つの要素−不可能を可能にする考え方の体系

 自立型姿勢は、自己依存、自己管埋、自己責任、自己評価、他者支援という五つの要素によって構成されている。
  自己依存とは、他人に期待せず自分自身に期待することである。ここで言う期待とは、思い通りにしようとすることだ。しかし他人に期待しても思い通りにならず、結果は裏切られて不満となって自分に返ってくる。その不満が蓄積されるとストレスになる。
  自己依存とは、他人や会社が何をしてくれるのかではなく、自分から他人や会社に何ができるかを考え、自分から始めることである。生活の安定も、どこの会社に入ったら得ることができるのかと考えるのではなく、自分の努力でつかみ取ろうとする姿勢である。
  自己管理とは、自らの可能性を最大限に発揮することである。私たちは無意識に安楽の欲末に基づいて考え、行動してしまう。意識して自立型の考えを持つようにしなければ、依存型の考えに流されてしまうのだ。常に自分の持つ可能性を最大限に発揮するためには、常に目標を確認し自分自身がやる気になるように努力しなければならない。
  どのような状況であれ、その中で自分を最大限に発揮するためには、何のために、なぜ、自分がいま目の前にあることに取り組もうとしているのかを何度も確認する必要がある。成功者はこの確認作業を一日に100回以上、つまり五分に一回は確認している。
  自己責任とは、問題の責任は自分自身にあると考えることである。問題を改善・向上の機会ととらえ、自らの責任で解決していく姿勢である。
  自己責任は、成長のためには不可欠の考え方である。他人の責任にしたものは改善・向上することが難しく時間がかかるのに対して、自分の責任として考えることによってのみ、より早く確実に成長していくことが可能となるからである。
  自己評価とは、自分が納得いくまでとことんやることである。他人に評価されることを目的にするのではなく、評価を結果として考え、自分自信は一流・本物を目指していく考え方だ。そしてビジネス社会における一流・本物とは、顧客や社会に価値・感動を提供できるようになることをいう。
  自分がサボっているのを一番知っているのは自分自身である。人が見ていようが見ていまいが全力で努力することが大切だ。いわば、人が見ていないところでこそ努力する姿勢が自己評価である。そして努力をしても他人の評価が低いのは努力が足らないだけなのである。
  他者支援とは、他人は信頼し支援する対象でしかないと考えることである。顧客は価値を提供する対象でしかなく、部下は支援する対象でしかない。もちろんどちらも信頼することが前提である。信頼とは相手がどのような意識状況にあろうがそのすべてを受け入れることであり、最高の支援とは励ますことである。
  自立型の姿勢は他人に価値・感動を与えることを目的とした考え方であり、私たちは自分が努力したことで他人を感動させたときに最高の充実感、つまり感動を得ることができる。他人を感動させることによって自分自身が感動する。これが人間のためのビジネス社会である。
  これら五つの要素はそれぞれ独立したものではなく、それぞれが互いに連動し合って一つの自立型姿勢を構成しているのである。
  自立型姿勢とは反対に、依存型姿勢は、他者依存(他に期待する)、他者管理(与えられたことだけをやる)、他者責任(青任を他に押しつける)、他者評価(評価されることを目的とする)、自己利益(自分の利益を複先する)の五つの要素によって構成される。
目次に戻るPAGETOP
■自立型と依存型の違い−末来に期待するか、未来を創造するか

 以下、自立型姿勢と依存型姿勢についてその達いを幾つかの視点から考察してみよう。
  自立型姿勢ではどのような状況に置かれたとしても自由と可能性を感じることができる。制約のない人生はない。しかしどんなに厳しい制約の中でも、いまそこでできることをあきらめずに精一杯やろうとするのが自立型姿勢である。そしてこのような考え方からは不満が起きない。
  一方、依存型姿勢にはいつも拘束感、限界感がある。期待していることが実現しないのは他人に責任があり、自分ではどうにもならない環境にいるのだと考えるためである。このような意識になると仕事に対しても次第に投げやりとなって、ただ一日一日を消化していくだけの人生を送ってしまう。
  また自立型姿勢ではものごとがうまくいくかどうかはどれだけ全力で物事に取り組んだかによって決まると考える。うまくいかないのはうまくいくまでやっていないからであり、うまくいくまであきらめない。だからこそ夢を持つことができる。やる前から実現することが確実にわかっているものは夢ではないからだ。そしてうまくいかないことがあるからこそ、自分自身が成長し、充実感のある日々を送ることができると考える。なかなかうまくいかない仕事、言うことを聞かない部下ほど自分を成長させてくれるのである。
  これに対して依存型姿勢は、努力しないでうまくいくことばかりを考えて名案を探し続ける。しかし、こうすれば必ずうまくいくという名案がないために、結局はうまくいかない理由を挙げてやろうとしない。このような依存型姿勢にとっては夢を持つこと自体が無意味なことに感じてしまう。そして昨日と同じことばかりを繰り返し、成長・向上することができなくなってしまう。残念ながら、現代のように変化の著しい環境の中では、このような姿勢で生き抜いていくことはできない。
  人間関係においても自立型の姿勢がなければ信頼関係をつくり上げることができない。依存型姿勢では他人を自分の思いどおりにコントロールしようとするために、他人との関係では信頼関係はつくることができない。また何か問題があれば他人の責任にしようとすることも信頼関係を損なう原因となる。特に顧客との関係において、依存型姿勢では信頼されず売上につながることもなくなってしまう。そもそも信頼とは相手のすべてを受け入れることに始まるものであり、相手がどうあれ自分から相手を受け入れていかなければ生まれ得ないものだからだ。信頼関係は自分がまず相手を信頼することからしか始まらないものなのである。
  自立型姿勢と依存型姿勢はどちらを選択するのかによって、まったく正反対の考え方をとり、それが行動となって、成果もまったく違ったものになってしまう。私たちが現在どのような立場、人間関係にあるかはこれまで私たちがどのような姿勢で物事に取り組んできたかの結果である。同じように、これから私たちがどのような人生を送ることができるのかは、今からどちらの姿勢を選択して生きていくのかによって決まるものである。そのためには意識的に自立型の姿勢をとるように心がけなければならない。
  週去がどうであれ、末来は今日創られているのである。
目次に戻るPAGETOP
■プラス受信の三原則−すべてがチャンスになる

 プラス受信とは自立型姿勢の入り口となるものだ。それは物事を客観的、好意的、機会的に受け止めることをいう。この反対の受け止め方をマイナス受信といい、それは依存型姿勢の入り口となる。マイナス受信とは感情的(自己中心的)、反感的、危機的に物事を受け止めることである。
  プラス受信とは、いわばどのような事態に遭遇したとしても、その出末事をどのように受け止めたら感謝することができるのかを考えることである。私たちにとって都合が悪いと感じることは、都合が悪いように考えたからにすぎない。問題が起きたことが問題ではなく、その問題をどのように受け止めたかが問題なのだ。
  客観的とは、その場の感情に流されず、冷静・客観的に物事を受け止めてみることである。私たちは安楽の欲求によって都合の悪いことに出会うと安易に感情に流されてしまう傾向がある。そのとき感情に流されずにもう一度その出来事を客観的に見直してみると、自分自身に本当の原因があったことを発見することができるはずである。自分自身に原因があると考えることができれば、改善することも可能になる。
  好意的とは、相手の言ったこと、やったことを好意を持って受け止めてみることである。厳しい上司は好意的に受け止めてみれば、自分の成長のためにわざと厳しくしてくださっていると考えることもできる。上司がどのような意図で何を言ったかが問題ではなく、自 分がどのように受け止めたかが問題なのだ。
  機会的とは、問題や障害をチャンスとして受け止めてみることである。自分が不便と感じたことはビジネスチャンスになるし、会社の業績が悪いときほど改革のチャンスになる。自分に降りかかってきた問題は、それを自分が解決することができれば同じようなことで 困っている他人の役に立つことができるようにもなる。つまり自分に降りかかる問題は自分が世界に役立つために降りかかると考えることだってできるのだ。
  あらゆる出来事はピンチにもなればチャンスにもなる。それは受け止め方の違いであって、どんな出来事が起きたかが問題ではない。
目次に戻るPAGETOP
■自立型姿勢と人間的成長−変化・成長する姿勢

 物事にどう取り組むのかという姿勢は、出会いと出来事によって常に変化し続けている。そしてより自立型姿勢のウエートを高めていくことを人間的成長という。
  幼児期の私たちは安楽の欲求だけに基づいて自己の生命体の維持のために行動するだけだ。しかし次第に周りとの関係を意識し、社会の中でどのように生きていくかを考えて行動するようになる。人間にとって成長とは単なる肉体的成長を意味するのではなく、精神的成長、つまりどんなときでも自立型姿勢で臨めるようになることをいうのである。
  にもかかわらず、残念ながら肉体的成長に反比例するように依存型姿勢のウエートが高まっていくことがある。学生時代は自立型姿勢のウエートが高かったにもかかわらず、企業に就職して周りから依存型姿勢を強要され、次第にそれが常識なんだと思い込んでしまう ことがある。そしてこのような人間的退行現象が企業の生産性の低下の引き金となっているのである。

目次に戻るPAGETOP
自立型姿勢とは?自立型姿勢FAQ自立度チェック相互支援組織の作り方”思い”の7段階一般講演情報著書
元気が出る言葉企業理念会社概要代表者プロフィールアクセスマップ関連サイト一覧メールマガジンポッドキャスト
All Rights Reserved, Copyright © 2002-2010 Entrepreneur Center Ltd.