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相互支援組織の作り方
第7回
社員が働く2つの動機
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■働く社員と働かない社員−待遇で人を集めるか、共感で人を集めるか

 社員が企業で働く理由は大きく二つある。それは安楽を求めて待遇条件を期待して働くのか、それとも充実を求めてビジョンに共感して働くのかということだ。
  バブル華やかなりし頃、人材募集に苦慮する大手企業はさまざまな方法で若者の気を引こうとした。そんな中で初めて週休三日制を打ち出し、多くの学生の採用に成功した大手のスーパーがあった。積極的に海外にも進出していたため、どうしても人材を確保しなければならなかったのである。その人材募集戦略の目玉が週休三日制であった。就職しても働くのは週四日だけで後の三日は自分の時間として自由に便えるというのがうたい文句だ。要するに、楽ができることを訴えて人を集めたのである。予想どおりこの戦略は的中、多くの楽を求める若者が集まってきた。にもかかわらず、バブルが崩壊してまもなく、その企業は倒産してしまった。
  企業が社員を募集するときには、他社にはないさまざまなメリットを打ち出そうとする。ところが、その打ち出す内容によってどんな学生が集まるかはまったく変わってしまう。
  名古屋に本拠を構え、若者たちから圧倒的な指示を得ている「感動創造企業」株式会社モックの山田納生房社長は新入社員の説明会で夢を語ることに徹している。面白いのは入社条件などの待遇については、「保証できるものなどは何もありません。そもそも会社というもの自体、私たちの目的を達成するための便宜上のものにすぎないんですよ。すべては自分のカで創り、そしてつかみ取っていくものです。私たちは夢を持った仲間たちでしかないんですから」と説明している。
  その打ち出す内容と集まる人材については以下のような関係になる。
  つまり、目分の人生を充実したものにするために、常にチャレンジ精神を持って仕事に取り組みたいという人が集まる。
  もちろんどちらの方法によっても人を集めることができる。しかし、安心感を訴えて人を集めるのか、ビジョンを訴えて人を集めるのかによって集まる人々の意識はまったく違ったものになる。それは楽を求めて入社するのか、充実した日々を送るために入社するの かの違いである。
  ビジョンとは企業が達成するものではなく、個人がカを合わせて達成するものだからである。
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■安楽を求めるほど安楽が得られない−満たされることのない安楽の欲求

 私たちは安楽を求める欲求と充実を求める欲求の両立しえない相反する二つの基本的欲求を同時に持っている。
  安楽の欲求とは人間が生命体として本能的に持っている欲求で、食欲・睡眠欲・性欲など生命を維持し子孫を繁栄させるために必要な欲求である。さらに物欲、支配欲、私利私欲などはこの欲求の延長にある。
  安楽の欲求は極めて強い欲求である。それにまるで重力のように私たちを引きつけてやまず、生きている限り取り去ることはできない。しかし生きるうえではなくてはならないこの欲求も、社会生活の中では大きな問題を引き起こす。
  安楽を求めるほど私たちは他人のことよりも自分のことを優先するようになり、自分にとって利益にならないことはやらないようになってしまう。さらに目先の利益に流され、長期的な展望の中で行動することをしなくなる。
  安楽の欲求に基づいて働くことは、他人や企業に依存し、楽して得を取ることばかり考え、仕事上では生産性を上げることよりも報酬を得ることが行動目的になる。
  たとえば企業活動の中でも、以下のように考えるようになる。
・面倒なことは避けたい
・自分に責任が回ってくることを恐れる
・新しいこと、やったことのないことにチャレンジするのは面倒
・休日休暇が待ち遠しい
・生活保障や休日休暇、快適な職場環境等を会社に期待する
・会社や上司に迎合する
・楽な仕事をしたい
・高い評価を得たい
・自分の思いどおりに部下を動かしたい
・自分の利益にならないことはやりたくない

 これらの考えによって、行動すると以下のようになる。
・他部署や部下、顧客に責任を転嫁する
・トラブルの処理が遅れる
・指示がなければ行動しない
・いつでも働くふり、忙しいふりをする
・能力が向上しない
・仕事の改善、向上が遅れる
・不平、不満ばかりが口に出る
・部下や顧客から尊敬されない
・企業の生産性が低下する
  こうして周りからの信用を失い、結果として自分自身も楽ができないということになる。
  人間社会の基本構造は他人の役に立つことによって結果として報酬が得られるようになっており、安楽の欲求に基づいた社会性のない自己中心的行動では報酬をも得ることはできない。何とも皮肉な話かもしれないが、楽を求めるほど楽になれないのが人間社会なのだ。
  企業の活力が失われるというのは、社員の意識がこの安楽の欲求に流されてしまうことをいう。

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■努力するほど充実した人生になる−最高の充実感は感動させることで得られる

 充実の欲求とは、一日一日を充実した生きがいのあるものにしたいという欲求で、自己実現欲・自己成長欲・価値創造欲・社会調和欲といった、人生を人間らしく有意義なものにしたいという人間特有の欲求である。どれだけ裕福で何不自由のない生活をしていたとしてもどこか心が満たされないのは、この充実の欲求が満たされていないからである。
  しかしこの充実の欲求は、生命体を維持するための安楽の欲求に比較して、極めて弱い欲求である。そのために私たちは、意識してこの欲求を満たそうとしなければ、充実した日々を送ることはできない。
  しかもこの充実感のある日々を送るためには、いわば苦労することが条件になる。明確な目標に向けて、自発的に毎日精一杯の努力をしなければならない。その目標は簡単にできるものではなく、大きな困難があるほど充実感は強くなる。さちに協力しあえる仲間がいて、その目標の達成を周りの人々が喜んでくれることが必要である。
  最高の充実感を感動という。そして最大の感動は、自分が努力をしたことで他人が感動したときに得られるものである。
  また目標の達成は充実した日々の終焉でもある。さらにまた大きな目標を持たなければ、すぐに私たちは安楽の欲求に流され、どこかむなしい日々を送ることになってしまう。この状態をバーンアウトという。つまり、充実感とは努力する過程から得られるものなのである。人生を充実感のある有意義なものにするためには、常に先に目標を置いて努力し続けなければならない。
  この充実の欲求に基づくと、企業活動の中では以下のような考え方になる。
・ビジョンの達成のためなら面倒なことでもやりたい
・責任のある仕事がしたい
・新たなことにチャレンジしていきたい
・働くこと自体に生きがいを感じたい
・会社の未来は自分の努力次第で変わると思う
・自分の評価は努力の結果にすぎない
・難しい仕事ほどやりがいを感じる
・部下を信頼したい
・社会に価値・感動を提供したい

 こうした考えによって行動すると、以下のようになる。
・自分が責任をとる
・トラプルの処理が早い
・能力が向上する
・指示がなくとも自分で考えて行動する
・何事にも全力で取り組む
・仕事をどんどん改善向上する
・不平不満がなく、もしあれば自分で解決すべく努力をする
・部下や顧客から尊敬される
・会社の未来を創造する
  こうして企業を成長させるだけでなく、自分自身も充実した日々を送ることができるようになる。
  充実の欲求を満たすためには、楽を求めずあえて困難に立ち向かい、精一杯の努力をしなければならない。しかし、それによって自分に対する信用は高まると同時にその成果も最大となる。このように充実した一日と安楽な一日は両立しえないものである。
  日々変化する環境の中で生きている私たちにとって、安楽を求めて改善向上を怠ることはそのまま衰退していくことを意味す。私たちは常に他人や社会に貢献することによってしか、生存し得ない存在なのである。

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■ゲームセンターが成り立つ理由−ビジネスはゲーム・センターよりも楽しい

 話がまったく飛ぶようだが、ここでゲーム・センターはなぜ成り立つのかを考えてみたい。
  ゲーム・センターはいわばお金を払ってさまざまなシミュレーション体験をすることができる場である。ゲームの世界では誰でもパイロットやプロドライバーになることもできれば、屈指の格闘家になることもできる。そこでは誰もがみな勇猛果敢なチャレンジャー である。次々と降りかかってくる困難や課題を一つひとつクリアしていくことを楽しみ、そのためにお金を払っている。
  それでは、このことを違った視点から考えてみよう。もし仮にお金を払うことによって私たちがなんらかの利益を得るのが当然ならば、お金を払ってゲームをする以上、ボタンを押し続けてさえいればゲームの点数はどんどん勝手に高くなっていくべきである。闘わ ずしても勝つことができるべきであろうし、思い通りの結果を簡単に手に人れることができなければ、利益を得たことにならないのではないだろうか。
  しかし、そんなゲーム機がもしあったとしたら誰もやらないだろう。ゲーム・センターはうまくいかないことを楽しむために行く所なのである。そしてゲーム・センターで得られる楽しみとは安楽感ではなく充実感である。わざわざ努力をするためにお金を払っているのだ。とすれば、ゲーム・センターよりもはるかに楽しいところがある。それが現実のビジネス社会だ。それはシミュレーションではなく、現実というリアリティの中でチャレンジすることができるわけで、問題や課題も大きく、せっぱ詰まったものばかりだから、ゲーム・センターなんかよりはるかに楽しいはずである。しかも、それによって報酬まで得ることができるのだから、こんなにすばらしい世界はないのではないだろうか。
  もう社会人は一度やったら止められない。
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