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相互支援組織の作り方
第5回
利益よりも優先する企業ポリシー
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■ポリシーはあらゆることに優先する


  ポリシーとは企業活動の行動基準である。ポリシーがないと企業内の価値観はバラバラとなり、組織としての統一的行動はできなくなる。企業は同じポリシーのもとで行動する集団でなければ、どれほど整備された形としての組織であったとしても最大限にその機能を発揮することができない。
  ポリシーは企業内におけるあらゆることに優先しなければならないのである。

1.ポリシーは経営者よりも優先する
  ある中堅企業の役員の方からこんな話を聞いた。
  「うちの社長はワンマンなのはいいんですが、一つ困ったことがあります」
  「どんなことですか」
  「それはいつも気分で物事を判断することなんですよ」
  「それは困りましたね」
  「以前とまったく正反対の判断でも平気でするようでは、社員の意識を一つにするなんてことはとてもできません。できる社員がどんどん辞めていってしまいます。残るのは社長の顔色をうかがいながら、要領よくやっていこうという者ばかりになっていくような気がするんです」
  「そうなるでしょうね。なんたって、社長の今の気持ちがポリシーなんですから」
  社長が社長たる理由はポリシーを最も実践しているからということに尽きる。他の誰よりもポリシーをよく理解し、そしてその実践に努めているから社長なのである。
  仮にそうではなく、社長の気持ちがポリシ−であるとするならば、社員は社長の顔色をうかがいながら仕事をするだけになるだろう。そのあげく自分で判断することができなくなり、自発的な行動をしなくなってしまうに違いない。
  ポリシーとは社員一人ひとりが自分で考えて行動するために必要な行動基準なのである。

2.ポリシーは常識よりも優先する
  不況と言われるアパート建築業界で成長し続けるハウジナ・コーポレーションは、所有者に対して二○年間の入居保証をし、また入居者にはボーナス併用払い可、敷金・礼金および退去時の修繕費無料、という業界の常識を打ち破ったまったく新しいシステムを提供して大変な注目を集めている。
  社長の旗禮泰永氏はこう言っている。
  「私たちの基本的なポリシーは、大家さんも入居者も社員も、みんなを幸せにするというものです。誰かだけの幸せであってはなりません。だからこういうシステムがあってもいいし、これまでなかったことが不思議なくらいです」
  業界の常識が社会の非常識になっていることがよくある。その業界の中で当たり前と思われていることでも、顧客の側から見たり、社会の流れの中から見ると、いくらでも改善の余地が見つかる。つまりポリシーを持つということは、業界の常識に左右されないで物事を判断すると言うことである。
  ポリシーが次代の新事業を生み出す基準となるのである。

3.ポリシーは利益よりも優先する
  企業の利益第一主義が企業の存在価値そのものを否定してしまうことは以前にも述べたとおりである。確かに企業は利益がなければ成り立たないかもしれない。しかし、だからといって利益が出れば何でもやるというのでは、社会にとって意味のない、いや社会に弊害をもたらすことにもなりかねない。
  たとえどんなに利益が出る仕事があったとしても、ポリシーに合わなければその仕事は断るべきである。利益なくして企業の存続がないのではなく、ポリシーなくして企業の存在価値はないのである。

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■ポリシーが浸透しない理由

 顧客満足で世界的に高い評価を得ているディズニーランドでは、四万五、○○○人もの社員・スタッフが同じポリシーのもとで一糸乱れぬ行動をしている。
  しかし一方で、ポリシーがあってもなかなか浸透しないと言う経営者はとても多い。そこで、なぜポリシーがなかなか浸透しないのかを考えてみたい。
  その第一の理由は、社員の周りに見本となる人物がいないことである。すなわち上司が見本になっていないのだ。経営陣とはポリシーの最たる実践者であり、不屈の精神でポリシーの浸透に全力で臨む先導者でなければならない。
  第二に、ポリシーとその意義が繰り返し伝えられていないことである。人間の記憶は三○分で五○%忘れるようにできているという。ポリシーがあってもよく覚えていないというのでは、ポリシーがないのと同じことなのである。
  第三に、ポリシーそのものが曖昧で自分の行動に活かすにはどうしたらよいかわからない、さらにそれをきちんと0JTの中で指導できていないことである。
  第四に、ポリシーの実践をどのように評価するかが決まっていない、あるいはポリシーの実践者が正しく評価されていないことである。
  そして第五に、最も基本的なことだが、社員をポリシーの共感者として採用したわけでもなく、社員もポリシーに共感して働いているわけではないことである。後からポリシーを浸透させるためには、共感できない社員が退社することを覚悟しなければならないだろう。
  要するに、ポリシーが浸透しないのは、ポリシーを本気で浸透させようとしていないからなのである。
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■ポリシーの四条件

 日常のあらゆる行動の根拠であるポリシーは、いま自分がやっているどんなささいな仕事にも生かされていなければならない。そのためには誰にとっても理解、応用できるものにしておくことが大切だ。
  ポリシーが真にその価値を発揮するためには、以下の四つの条件を満たしている必要がある。
第一条件 社会貢献性
  顧客さらには社会に対して価値・感動を提供することがポリシーの基本である。自社の利益のみを追求することはポリシーにはならない。利益とは、ポリシーを実践した結果として得られるものであり、それはどの程度ポリシーを実践したかのバロメーターなのである。

第二条件 絶対性
  ポリシーとは企業内のあらゆることに優先したものでなければならない。たとえ大きな利益になることでもポリシーに反する仕事は断るべきであり、社長であったとしてもポリシーに反する判断・行為は許されない。

第三条件 明確性
  誰でも具体的に理解できるものでなければならない。単に言葉として理解できるものではなく、実践的に応用できるものにしておく。そのためにも、ポリシーを付帯説明によって具体化しておくことが必要だ。

第四条件 日常性(普遍性)
  企業活動のどんなささいな業務にも反映されるものでなければならない。ポリシーとは徹底的に細部にこだわることである。そのためには見本となってポリシーを実践する指導者を育成し、全社に普及するシステムを構築しなければならない。

 ここで一つ注意しなければならないことは、ルールや規則は数が多いほど守られないのが世の常。だからこそポリシーはできる限り必要最小限のものにし、そして、わかりやすく特徴的な表現にまとめることがたいせつだ。そして最もたいせつなことは、ポリシーを持つことで安心するのではなく、それを守り、実行することに専念すべきである。

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■顧客はポリシ‐の共感者−消費者から共感者へ

 次に、ポリシーに基づいて行動することと、顧客の要望に応えることの関係について考えてみたい。
  アメリカに、記号化した星座のマークを刻んだアクセサリーを販売するレスペクトという会社がある。それは何の変哲もないアクセサリーだが、大変な売れ行きだという。実はそのアクセサリー自体には大した意味はないのだが、その会社のポリシーに共感した人々が顧客となっているというのだ。そのポリシーとは、企業の利益の半分を寄付するというもので、そのために会社の財務内容を公開しているという。
  実は、この事業はきちんと社会的な二−ズに応えたものだ。その二−ズとは社会参加、社会貢献であり、誰でも多かれ少なかれ持っている基本欲求の一つなのである。顧客はレスペクトの企業活動に共感して、参加してきた人々ということだ。
  また、イギリスに始まり全世界に八○○店以上もの展開をして環境商品を販売するボディ・ショップは、創業者のアニタ・ロディック社長の環境保全に対するポリシーに共感した人々が顧客になっている。
  さらに、トヨタが世界に先駆けて開発し大変な注目を集めている電気自動車プリウスはそのデザイン性や機能性よりも地球環境に優しいことが最大の商品価値になっている。

 顧客が求める価値が大きく変わってきている。いわば、顧客は企業のポリシーに共感し、その活動にお金を払って参加しているのである。
  これからの時代、顧客は利益さえ出れば環境汚染も平気でするような企業の商品は購入しなくなる。企業がどのようなポリシーで経営されているかを見て、商品・サービスを選択するようになるに違いない。
  それは顧客の意識の変化によって、社会の在り方も生きるための消費型社会から、生きることの価値を高めることができる貢献参加型社会へと変化してきていることに他ならない。
  顧客とは企業ポリシーの共感者集団なのである。

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■信用より大切なもの−イメージから真実へ

 企業活動の目的は、どれだけポリシーに則った活動ができたかということであり、数字上の業績は、企業がどれだけそれらを実践したかの結果として出てくるものにすぎない。
  企業がポリシーに基づいて活動するためには、その実態をできる限り公開する必要がある。情報は公開するほど企業と社員、企業と顧客の信頼関係を高めることができるようになるからだ。
  さらに情報公開によって、社員は自分のやるべきことを見つけだし、自発的な行動をとることができるようになる。すなわち、情報は公開するほど社員の士気は高まり、結果として業績向上につながる。また、顧客は企業を信頼し、安心してその企業活動に参加できるようになる。社会的信用はイメージで得られるものではなく、その実態によってしかつくることはできない。
  そのためにも情報公開に際しては、その背景にある判断・行動の基準、つまりポリシーに基づいてあらゆる判断がなされ、その結果として数字になったことを伝えるべきである。
  それでは、以下に情報公開のポイントについてまとめてみよう。
  第一に、結果よりもその結果に至るまでの過程を公開すること。
  第二に、数字よりも根拠となる考え方を公開すること。
  第三に、過去よりもこれからどうするのかという未来を公開すること。
  第四に、誰でも知りたいときに知ることができるシステムをつくること。最近はコンピュータネットワークによる社内インフラが整いつつあるので、情報公開のシステムをつくり、それを活用することが効率的であろう。
  そしてこれらの情報公開はすべて一度にできなくとも、ステップアップで考えていくことがたいせつなことである。
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